小野麻利江 12年1月8日放送
表現する男 円谷英二
映画の公開前に、
フィクションが現実になることもざらだった、
昭和30年代。
映画監督・円谷英二はそんな中で、
新しい特撮アイデアを考え続けた。
「できますか?」と聞かれたら、
とりあえず「できます」と答えちゃうんだよ。
その後で頭が痛くなるくらい考え抜けば
たいていのことは出来てしまうものなんだ。
表現する男 井上陽水
「『今日は・・・いい・・・・お天気・・・でしたね・・』
それを言うだけで、2分くらいかかってる」
落語家の立川志の輔は、
シンガーソングライター・井上陽水の
ライブでのおしゃべりを評して、こう言った。
井上陽水は、会話の中で沈黙が生まれることを、
まったく恐れていないのだという。
彼は言う。
僕は意識的にというか無意識にというか、
喋らない時間というのを
ときどき持ちたいなと思うんです。
全部言葉で埋めたくない。
「傘がない」「氷の世界」「少年時代」。
独特の感覚で歌詞を紡いでいくことにかけては
日本でおそらく右に出るもののいない、井上陽水。
彼は、言葉を発さない瞬間が、
言葉を浮かび上がらせることを、知っている。