三國菜恵 12年2月5日放送



野球をおもしろくした男たち/嶋田宗彦

和歌山県・箕島(みのしま)高校出身の野球選手、
嶋田宗彦(しまだ むねひこ)。

彼が出場した、1979年 夏の甲子園は
歴史にのこる名試合だったと言われている。

対戦相手は、石川県の名門・星稜(せいりょう)高校。
両者同点のまま迎えた、延長12回。
星稜高校が1点を追加、箕島高校は窮地においこまれる。

敗戦ムード一色の中、打順がまわってきた嶋田選手。
彼は、ベンチじゅうに聞こえる声でこう叫んだ。

「カントクーッ、ぼく、ホームラン、狙ってもええですかー!」

そのことばに、誰もがハッとおどろいた。
次の瞬間、チームメイト達が顔をあげると
レフトスタンドをめがけてホームランボールが飛んでいた。

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