小野麻利江 12年2月12日放送
おやこの話 母と描く花の絵
1日に1時間。
絵を描くために、
ベッドの上で、体を横にする。
それ以上つづけると、平衡感覚が保てず、
体に負担がかかってしまう。
星野富弘。
口に筆をくわえて、野の花の絵を描く。
中学校の体育教師になって、2ヶ月足らず。
クラブ活動の指導中に、頸髄を損傷。
首から下の運動機能を失った。
色をつくるのは、彼の母。
彼が発する小さなニュアンスの違いを聞き逃さず、
たんねんに、絵の具をまぜる。
母子で描いた、花の絵たち。
その中の1枚「なずな」には、
こんな言葉が添えられている。
神様がたった一度だけ
この腕を動かしてくださるとしたら
母の肩をたたかせてもらおう