石橋涼子 12年6月17日放送
Saperaud
夫婦のはなし 辻邦生と辻佐保子
辻邦生(つじくにお)は学生時代に恋をして、
後の佐保子(さほこ)夫人と結婚した。
夫婦でパリに留学したのち、
夫は文学賞を受賞して小説家となった。
妻は美術史を研究し、学者になった。
辻邦生の小説が、独自の世界観を持ちながらも
歴史的背景がしっかりしているのは
妻・佐保子の存在あってこそだった。
ふたりで作り上げた小説は、夫婦にとって
子どものようなものだったのかもしれない。
なにしろ、辻邦生の代表作「反教者ユリアヌス」などは
夫婦の間で「ユリちゃん」と呼ばれ
愛されていたというのだから。