三國菜恵 12年6月24日放送
美空ひばりの信念
歌手・美空ひばりは、
大人の歌を大人顔負けにうたいあげる
めずらしい少女だった。
けれども、中にはそれをこころよく思わない人もいた。
たとえば、
『買い物ブギ』などで一世を風靡していた歌手・笠置シズ子からは
「私の歌をカバーしてはなりません」とクレームがあった。
さらには、新聞のコラム欄で、
「こどものくせ大人の歌をうたうな」と叩かれたこともあった。
けれども、ひばりは、どんな言葉にもぐっとこらえた。
そこには、こんな思いがあったという。
喧嘩したってろくなことにはなりません。
とにかく仕事をしちゃった方が勝ちなのです。
「不言実行」の精神で、
彼女はひとつひとつ確実に自分の居場所を手に入れていった。