三國菜恵 12年6月24日放送
美空ひばりと舞台衣装
昭和21年9月。
横浜にある「アテネ劇場」というちいさな舞台に
美空ひばりは立った。
そこでの公演は、ある意味で歴史的な舞台だったという。
ステージの1曲目 『旅姿三人男』という曲で
ひばりは三度笠をかぶって登場。
そして、パッ!と笠を取ると同時に、
パッ!とスポットライトが彼女を照らしだした。
この演出を考えたのは、ひばりの母、加藤喜美枝。
実は、当時
「歌手が扮装して歌をうたう」ということは前例がなかった。
親子二人三脚で「お客さんをたのしませよう」とした気持ちが
結果として、戦後の日本ではじめての試みを生んだのだった。