ハッピーナイン
ショートショートの神様1
小説家というものは、昔から文章が上手だったに違いない。
そう思っている皆さんへ。
これは、ショートショートの神様と言われる
星新一が書いた、小学生のときの作文だ。
夕ごはんがすんでから、そこらを散歩してこようと思つて
公園の方に行つたら、へんな道を見つけた。
その道をずんずん上つて行くとケーブルカーのせんろのそばへ出た。
公園上から向かふへわたつて、えきの中を通つてかへつた。
事実だけを淡々と記したこの作文は、
感情表現がない、と先生からお叱りを受けたそうだ。
しかし、この短い文章が、のちに類い希なセンスへと変わっていく。