起業家という生き方 菊池武範
菊池武範は明治28年に愛媛県で生まれた。
家は裕福で、父は実業家だった。
しかし武範が12歳の時、父が事業に失敗。
病気で寝たきりになった。
武範は大阪に奉公に出て、朝から晩まで働いた。
食事はいつも一番最後。冷えた麦めしを食べながら、思った。
「熱いお茶が飲みたい」
その体験を元に彼は魔法瓶をつくる会社を起こし、
美しさと強さを追求した「虎印魔法瓶」を発売した。
後に「タイガー魔法瓶」となるその製品は
関東大震災でも壊れなかったほどで、たちまち人気商品となった。
はじまりは、一人の少年のちいさな願い。
彼の「魔法」で日本中の食卓が変わった。