色のはなし ターナーのパレット
イギリス・ロマン主義の画家、
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー。
西洋絵画史初の本格的な風景画家の1人。
彼が描く水彩画の特徴は
明るい色彩をちりばめた、
空気感のある風景表現。
そのため彼のパレットは、
透明度の高い色であふれていた。
好んで使った色は、黄色。
現存する彼の絵具箱の大半が、
黄色系統の色で占められている。
それとは逆に、非常に嫌っていたのが、緑色。
緑を極力使わないよう、苦心したという。
木を描かずに済めばありがたい
知人の1人にそう漏らしたという逸話さえ、残っている。
緑が嫌い、木が嫌い。
それでもターナーは風景画家でありつづけた。