007シリーズ50周年① イアン・フレミング
ケンカが強くて頭脳明晰。
女性にモテモテなイケメンスパイが、
秘密道具とスーパーカーで世界を救う。
男なら誰もが一度は憧れる男。
007ことジェームズ・ボンド。
この荒唐無稽なスーパーヒーローは、
原作者イアン・フレミングが
第二次大戦中にイギリス情報部で監視していた
実在のスパイを元に作られた。
彼が007シリーズを書き始めたのは、
自身の結婚式前夜のこと。
43歳にして初婚という
恐怖心への解毒剤
だったと言う。
007シリーズ50周年① イアン・フレミング
ケンカが強くて頭脳明晰。
女性にモテモテなイケメンスパイが、
秘密道具とスーパーカーで世界を救う。
男なら誰もが一度は憧れる男。
007ことジェームズ・ボンド。
この荒唐無稽なスーパーヒーローは、
原作者イアン・フレミングが
第二次大戦中にイギリス情報部で監視していた
実在のスパイを元に作られた。
彼が007シリーズを書き始めたのは、
自身の結婚式前夜のこと。
43歳にして初婚という
恐怖心への解毒剤
だったと言う。
007シリーズ50周年② ショーン・コネリー
初めての仕事は牛乳配達だった。
やがて男は世界を救うヒーローになった。
世界最長の映画シリーズ「007」。
初代ジェームズ・ボンド、
ショーン・コネリーの人生は、
その華麗な役柄とは正反対だった。
貧しい家に生まれ、中学卒業と同時に就職。
第1作「ドクターノオ」で
ボンド役に抜擢されたのは1962年のこと。
様々な職を転々とした後、
32歳で初めてつかんだチャンスだった。
頭髪が寂しくなりかけたこの無名の新人を見て、
原作者イアン・フレミングは猛反対したと言う。
それから半世紀。
彼を超えるボンドはまだ出ていない。
johanoomen
007シリーズ50周年③ ジョージ・レーゼンビー
世界最長の映画シリーズ「007」。
その最大のピンチは第6作「女王陛下の007」で訪れた。
マンネリに飽きたとショーン・コネリーが役を降りたのだ。
二代目ジェームズ・ボンドは、
オーストラリア出身のモデル、ジョージ・レーゼンビー。
演技の経験はなかったが、
軍で格闘技の教官だった経験を買われての起用だった。
スター気取りになった彼はギャラの上乗せを要求、
断られるとたった一作で降板した。後に彼は、
若さゆえの未熟さ、傲慢さが自分にはあった。
あの時私は、輝かしいチャンスと
失われていくチャンスを同時に目の当たりにした。
と語っている。
数々のトラブルにも関わらず、
「女王陛下の007」はシリーズ屈指の名作になった。
理由はボンドが初めて恋に落ち結婚する
素敵なラブストーリーであること。
そして最高に悲しくて
切ないエンディングを迎える作品であるからだ。
007シリーズ50周年④ ロジャー・ムーア
ジェームズ・ボンドのピンチを救ったのは、
別のジェームズ・ボンドだった。
3代目007、ロジャー・ムーアは、
持ち前のユーモラスな演技で前任者のゴタゴタを一掃。
第8作「死ぬのは奴らだ」以降、
歴代最多の7作品でボンドを演じ、
シリーズの長寿化に貢献した。
ユーモアのないサディスティックな
バイオレンス映画なんて考えたくもない代物さ。
荒唐無稽なキャラクターを茶化すような彼の演技は、
007を暴力的なアクション映画から
家族そろって楽しめる娯楽大作に変えた。
コミカルなボンドが人気を博した理由。
それは国際社会で次第に発言力を失っていく、
イギリスの悲哀の裏返しであった。
007シリーズ50周年⑤ ティモシー・ダルトン
最高の007は、最低の007でもあった。
4代目ジェームズ・ボンド、ティモシー・ダルトン。
彼はシェイクスピア俳優らしいシリアスさでこの役を演じた。
故ダイアナ妃に
最もリアルなジェームズ・ボンド
と評された第15作「リビング・デイライツ」は
それまでで最高のヒット作となった。
ところが次作「消されたライセンス」では
暴力路線に走りすぎ、最低売上を記録。
ダルトンはたった二作で降板してしまう。
さすがのジェームズ・ボンドも、
売上には勝てなかったらしい。
Rita Molnár
007シリーズ50周年⑥ ピアース・ブロスナン
ベルリンの壁が崩壊し、ソ連は解体。
かつての敵が味方になった90年代。
冷戦後の世界に、007の居場所を見つけること。
それが5代目ジェームズ・ボンド、
ピアース・ブロスナンの使命だった。
今までの4人をミックスしたキャラクターと
ソ連崩壊後の権力腐敗を描いたストーリーで、
第17作「ゴールデン・アイ」は
最高収益を大幅に更新。
その後も巨大メディア王や北朝鮮など、
時代とシンクロした敵を設定し、大ヒットを連発する。
007は見事、超娯楽大作として職場復帰を果たした。
Caroline Bonarde
007シリーズ50周年⑦ ダニエル・クレイグ
かつてロジャー・ムーアは
ジェームズ・ボンド役を降りる理由を聞かれて
これ以上やったら殺されてしまうから
と答えた。6代目ボンド、ダニエル・クレイグの意見は違う。
ケガなんて楽しみの一つさ
と、全身傷だらけになりながら、
ほぼ全てのスタントを自らこなしている。
金髪碧眼という従来のボンドとはかけ離れた容姿に、
当初はバッシングが続出。
作品のボイコット運動にまで発展したにも関わらず、
21作目「カジノ・ロワイヤル」は
007シリーズ史上最高の収益を記録した。
クール一辺倒でなく、あえて感情を前面に押し出した演技も
ショーン・コネリーを超えた!
と絶賛された上、コネリー本人からも
ベストなキャスティングと評された。
クレイグの目下最大の悩みは、有名になりすぎて、
バーで倒れるまで酔っぱらえないことだと言う。
007シリーズ50周年⑧ ジェームズ・ボンド
恐らくそれは、
イギリスの意地だったのだと思う。
世界最長の映画シリーズ「007」。
主人公ジェームズ・ボンドは
祖国が病める時でも常に
イギリス紳士かくあるべし
という理想であり続けた。
原作によれば彼は
様々な生活習慣病を抱えており、
医者から長生きできないと忠告されている。
それから50年。
今日もボンドは世界の平和を守り続けている。
ステアせず、シェイクした
ウォッカマティーニを傾けながら。
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