高田麦 12年11月24日放送
Andy Heather
つづける人 小津安二郎
豆腐屋は豆腐しかつくれない。
映画監督・小津安二郎の言葉である。
いつも同じ作風の古くさいものしかつくれない、
という批判に対しての答えである。
戦後は、大きく変貌していく日本社会を投影するような
ダイナミズムにあふれた映画が多かった。
その中で小津は小市民の淡々とした日常を描き続けた。
日常というモチーフは、目立たない。
でも、それを追い求めると、個性になった。
小津の作品は、いまでも新鮮な魅力を放ち続けている。