大友美有紀 12年12月2日放送
「子どもへの言葉/モーリス・センダック」かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダックは
その作品「かいじゅうたちのいるところ」について、
「いったどこから、こんな恐ろしいアイデアを見つけてくるのですか」と
聞かれる。それは途方もない難しい質問だ。
子どもは、現実の中で恐怖や怒り、憎しみ、
欲求不満などの気持ちに脅かされている。
コントロールできない危険な力として味わうほかない。
見過ごされているのは、子どもたちがごく幼いうちから
自分を引き裂く感情とはお馴染みであることなのです。
恐怖と不安は子どもの日常生活の本質的な一部であり、
常に全力を尽くして欲求不満と戦っているのだと言う。
子どもたちが、それらから開放されるのは、
空想によってなのです。
それは「かいじゅうたち」を飼いならす最上の手段です。
「かいじゅうたち」のおうさまになったマックスは、
ママへの怒りを忘れ、眠くなって、お腹をすかせて、
自分の部屋に戻ってくる。