古居利康 12年12月16日放送
尾崎行雄の95年 ②
明治維新の10年前、
相模国津久井郡で生まれた尾崎行雄は、
討幕運動に奔走した父の薫陶を受け、
福沢諭吉の慶応義塾に学んだのち、
新聞記者を経て、明治政府の官僚となる。
早くから政治への志を抱いた尾崎は、
やがて自由民権運動に身を投じ、
大隈重信と共に立憲改進党をつくる。
薩摩と長州。
明治維新の原動力になった2つの藩出身の
人間だけが優遇される政府のあり方に
疑問をもった尾崎行雄は、
欧米をお手本とする国会の設立、
選挙制度の確立を実現し、
理想の政策を共にする者があつまってつくった
政党が政治を動かす議会政治をめざした。
1889年にようやく国会が開設され、
1890年におこなわれた第一回衆議院総選挙で
当選。尾崎行雄のほんとうの戦いは
ここから始まる。