小宮由美子 12年12月22日放送
Kerem Tapani
クリスマス夜話 日本で初めてのクリスマスツリー
1860年。時は、江戸時代末期。
プロイセン王国から派遣されていた公使オイレンブルクは、
日本にいながらにしてクリスマスを祝う方法を考えていた。
日本では、木を一本切り倒すのも難しい。しかし
当時、すでにプロイセンの上流階級ではクリスマスを盛大に祝う
習慣があったため、オイレンブルクはあきらめきれない。
四方に馬を飛ばし、ありとあらゆる植木屋を探して、
やっとすばらしい一本を見つけだした。
天井まで届くほどの立派なもみの木に、
オレンジや梨をぶら下げ、華やかな紙を巻きつける。
付けられるだけ付けたという、砂糖菓子や蝋燭に混じって
飾られたのは、杉や竹や、椿の木。
オイレンブルクがこだわった末に出来上がった、和洋折衷のツリー。
これが、日本で初めてのクリスマスツリー、と言われている。