Mourner
佐村河内守さんの生き方1
今までピアノを習った人なら、
誰でも一度は開いた、おなじみの教本がある。
赤のバイエルと、黄色のバイエル。
広島に住む、才能豊かな四歳の少年は、
この二冊をわずか四ヶ月でマスターした。
いつもお母さんは隣に座り、
ミスタッチをすると、竹の物差しで手を叩いたという。
それでも少年は、ピアノを弾ける喜びに包まれていた。
作曲家、佐村河内守さんが思い出すのは、お母さんのこんな言葉だ。
基本をおろそかにして、この先泣くのは、あなたです。
それは、全ての人生に通じる、愛の鞭。