大友美有紀 13年1月6日放送
k-maru
「春の七草」ナズナ
七草粥の日、地方によっては「七草もらい」という風習があった。
七歳の子が七日に、近隣七軒をお盆を持って回り、
家々の雑炊をもらって食べる。
子どもの無病息災を願ってのことだろう。
七草のひとつ、ナズナは子どもに親しまれている草でもある。
ペンペン草とも三味線草とも呼ばれ、
子どもの頃、その茎を振って「ペンペン」と音がするのではないか、
と試した人もいるだろう。
けれども、そんな小気味のよい音はしない。
すこし裏切られた気分だった。
その実の鞘の部分が、三味線のバチのカタチに
似ていることからきた呼び名だ。
妹(いも)が垣根 三味線草の 花咲きぬ 芭蕉
早春に芽吹くその姿は、ういういしく、
幼子の生き生きとした姿をも思わせる。
ナズナというの名前には、
「撫菜」(なでな)、撫でて汚れをはらう、
と言う意味もあるようだ。
それもまた、新年の始まりにふさわしい。