名雪祐平 13年1月27日放送
大島渚がいた 1
駅前で、少年が鳩を売っている。
巣に帰ってくる鳩の本能を利用した
ずるがしこい商売だった。
同情した金持ちの少女が、
少年を貧しさから
救おうとするのだが・・・・・・。
そんな甘いセンチメンタリズムを遮断し、
社会のシビアな現実をあぶり出した
映画『愛と希望の街』
大島渚、27歳のときの処女作である。
愛、希望、街、という言葉をかさねた
センチメンタルな題名は
映画会社のご都合。
最初の題名は、
『鳩を売る少年』だった。