2013 年 1 月 のアーカイブ

澁江俊一 13年1月26日放送



海の向こうで愛されている日本のヒーロー キカイダー

海の向こうで愛されている
日本のヒーローを
知っているだろうか。

1972年に日本で放映されながら、それ以上に
ハワイで絶大な人気を集めた「キカイダー」。
再放送されるたび世代を超えてファンは増え
2002年ハワイ州知事により4月12日が
「ジェネレーション・キカイダー・デイ」に
制定されるまでになる。

石ノ森章太郎(いしのもりしょうたろう)がデザインした
左右非対称で、頭の一部から
中の機械が見える斬新なヒーローは、
日本の視聴者から気持ち悪いとクレームが殺到。
しかしキカイダーが持つ「不完全な良心回路」と
そこから生まれる苦悩は、ハワイの人々の心に、
今も大きな勇気を与えている。

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澁江俊一 13年1月26日放送


rajkumar1220
海の向こうで愛されている日本人 西岡京治

海の向こうで愛されている
日本人の話を
知っているだろうか。

1964年、農業を指導するため、
ブータンを訪れた西岡京治(にしおかけいじ)。
日本の技術を無理に押し付けず
現地の状況を見つめながら住民と対話を繰り返し
最少の費用で、最大の効果を目指した。

大根をはじめ、数々の野菜を紹介し、
並木植えにより米の収穫を増やし
多くの水路や田んぼ、道路をつくった西岡は、
2年の予定を延長し、28年もの間ブータンに貢献。
国王から最高の栄誉である「ダショー」の称号を授与された。

西岡が惜しみなく与えた知識は
世界一幸福な国に、
今も多くの実りをもたらしている。

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磯部建多 13年1月26日放送


Thanos Lazopoulos
海の向こうで愛されている日本人 服部匡志

海のむこうで愛されている
日本人の話を
知っているだろうか。

服部匡志(はっとりただし)。
ベトナムで6,000人の患者を失明の危機から救った
“神の手を持つ男”と呼ばれる眼科医だ。

まだまだ貧しい患者の多いベトナム。
服部は治療の報酬を、一切受け取とることはない。
人々の眼に光を取り戻すことこそ
自分の生きがいなのだ、と彼はいう。

その献身的な活動は、
ベトナムの人々に確かな希望を
見せてくれている。

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奥村広乃 13年1月26日放送



海の向こうで愛されている日本人 本島健三

海の向こうで愛されている
日本人の話を
知っているだろうか。

測量士、本島健三(もとじま・けんぞう)。
1978年、本島がギニアの地を訪れた時、
ギニアは世界の最貧国となっていた。

公共施設は破壊され、土地は荒れ放題。
マラリアや40度を超す暑さと闘いながら
4年を超す月日を、測量に費やした。

命懸けでギニアの地図を作り上げた本島に、
セクトーレ大統領が伝えた言葉がある。
「私たちと対等に付き合ってくれた外国人は、
あなたたち日本人が初めてです!」

この地図をもとに、
少しずつ、確実に、ギニアの復興は進んでいった。

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熊埜御堂由香 13年1月20日放送



夢のはなし 横光利一の鋭い指摘

新感覚派の天才といわれた
小説家横光利一がこんなことを言った。

 夢の話というのはひとりがすると
 からなず他の者がしたくなる。
 すると前に話したものは退屈するのだ。
 なぜならそれは夢に過ぎないからだ。

そう、夢とは取るに足りず、
ひとりよがりで、
自分にとってはおもしろおかしく、
ときに恥ずかしく、
それでも許されるものなのだ。

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熊埜御堂由香 13年1月20日放送



夢のはなし 漂う石牟礼道子

著書、苦海浄土(くかいじょうど)で知られ、
水俣に住み、水俣病と向き合ってきた作家、
石牟礼道子(いしむれ みちこ)。

故郷への真摯な愛から、
土着派とも呼ばれた石牟礼は、
意外にもこう言う。

水俣にこだわり続けるほどにそこから
ふわりと浮きあがり、漂う民になったように
感じる、と。
そしてこんな夢を見るのだ。

 毎夜、ねむり入るときまぼろしに誘われ、わたしは
 インカやトルキスタンのとある時代の
 砂漠の井戸を汲んでいる想いがする。

夢の世界でも、
石牟礼の意識は漂流しながら、
帰る場所を探している。

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石橋涼子  13年1月20日放送



夢のはなし ウィンザー・マッケイの夢の国

100年以上昔のアメリカの新聞に、
毎回、夢オチで終わるマンガが連載されていた。
ウィンザー・マッケイによる、
「夢の国のリトル・ニモ」という
新聞1ページのマンガだ。

ストーリーは毎回同じ構成。
ニモ少年が夢を見るところから始まり、
夢の国を冒険し、
最後にベッドから落ちて目が覚める。
それにも関わらず連載は10年以上続いたし、
今も根強いファンがいる。

それは、リトル・ニモが毎回冒険する
夢の世界のビジュアルが素晴らしかったからだ。
大きな鳥にくわえられて見下ろす夜の街。
ニューヨークの摩天楼、真夜中の海、巨大なキノコ。
リトル・ニモの夢の世界は、
誰もが見覚えのある、僕の、私の、夢の世界だった。

夢の世界で困ったときに思わず叫ぶ
「おうちに帰りたいよ、おかあさん」
というセリフは、
100年以上経った今も変わらず、
大人の胸をくすぐっている。

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石橋涼子  13年1月20日放送



夢のはなし つげ義春の描いた夢

作家の描く夢物語は面白い。
もしくは、変だ。

つげ義春は、エッセイでもマンガでも
自分が見た夢を題材にしたものが多い。
それらは、こんな変な夢を見てみたいと思える、
不思議な説得力がある。

出世作となった「ねじ式」は本人によると
ラーメン屋の屋根の上で見た夢
らしい。

どれ、私たちもちょっぴりヘンテコな場所で
昼寝をしてみようか。

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茂木彩海  13年1月20日放送



夢のはなし 黒澤明の理想

こんな夢を見た。
“私”は、美術館に飾られたゴッホの絵に魅せられている。
ふと気付くとそこは絵の中。
歩いていくうち、やがてゴッホと出会う。
「鴉のいる麦畑」の中を歩く彼の前を沢山の鴉が飛び立つ、その瞬間。
“私”はまた、何事も無かったかのように
展示会場のゴッホの絵の前に立っているのだった。

黒澤明が自分の見た夢をモチーフにつくった映画、『夢』。
第五話の「鴉(からす)」では、黒澤が尊敬するゴッホが現れる
幻想的な夢が描かれている。

現実には出会えない、誰かと出会う。
それも夢の醍醐味。
もし大好きな人と夢の中で出会えたら、あなたならどんな言葉を交わすだろう。

ちなみに黒澤は、夢の中のゴッホにこんな台詞を言わせている。

「絵になる風景を探すな
 よく見るとどんな自然でも美しい
 僕はその中で自分を意識しなくなる
 すると自然は夢のように絵になっていく」

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小野麻利江 13年1月20日放送



夢のはなし 夢を買った北条政子

「尼将軍」として鎌倉幕府の実権をにぎった女性、北条政子。
そんな政子が夫・源頼朝と出会えたのは
夢を買ったから、という話がある。

ある日政子の妹が、太陽と月を掌につかむ奇妙な夢を見た。
それを聞いた政子は、

 それは禍をもたらす夢である。私に売ってはどうか。

こう申し出たという。
当時、「不吉な夢を売ると禍を転嫁できる」という考え方があり、
妹は小袖の着物と引き換えに、その夢を売った。

しかし政子は、それが本当は、非常によい夢だと知っていた。

北条政子は、頼朝の妻となる前から、北条政子であった。

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