あうる
「春の七草」ハコベラ
春の七草のハコベラは、ハコベのこと。
古い歳時記には「野原や道ばたでよくみかけるナデシコ科の雑草」とある。
野原という場所は、東京ではほどんど出会うことはないが、
可憐な白い花をつける姿は、野原の化身のようでもある。
鳥やうさぎの餌にもなる。
カナリヤの 餌に束ねる はこべかな 正岡子規
英語では、チックウィード、ニワトリの雑草と言う名がついている。
日本でもヒヨコグサ、スズメグサと言われることもある。
それがどうして、七草の仲間入りをしたのか。
昔から薬草として使われていたらしい。
ミネラルなどの栄養を豊富に含んでいるようだ。
昔はハコベの汁に塩を加えて焼き、粉にしたものをハコベ塩といい
歯磨きに利用したらしい。
弱々しくみえて、生命力のある植物なのかもしれない。
石垣に はこべの花や 橋普請 永井荷風