小野麻利江 13年2月3日放送
ユーモアの話 星野源と「ようこちゃん」
俳優・歌手など、マルチに活躍するアーティスト、星野源。
彼には、自分のことを「ようこちゃん」と
名前で呼ばせる母親がいる。
星野が子どもの時。
「源、助けて!」という声を聴き、星野が風呂場に駆けつけると、
「排水溝に、吸い込まれるー!」
湯船の中で「ようこちゃん」が、迫真の演技。
パニックになった星野が、泣きじゃくりながら助けようとすると、
「どうも、ありがとうございます」と、
「ようこちゃん」は息子に敬語で、お礼を言った。
なぜあんなことをして、自分で遊んでいたのか?
星野が尋ねると、「ようこちゃん」はこう答えた。
だって、学校行って帰ってくるたびに
源の顔が暗くなっていくんだもん。
それを無理に頑張れって言うのも嫌だし、
だからせめて家の中だけは
楽しくいてもらおうと思って、いろいろしたの。
それを聞いて、星野は思う。
私は、遊ばれていたのではなく、遊んでもらっていたのだ。
ユーモアも、感謝も。
毎日のできごとを、ひとつ大きな視点からとらえなおす、
いとおしい、方法。