佐藤理人 13年2月16日放送
ミカ・ハッキネン④「Mr.クリーン」
アイルトン・セナの再来
F1王者は数いれど、
そこまで言われた男は一人しかいない。
フィンランドが誇る最高のレーサー、
ミカ・ハッキネン。
「カミソリの切れ味」と呼ばれた
コーナリングテクニックで彼は、
悪魔のように速い
と恐れられた。
あまりに速すぎて、
これ以上速く走ることは物理的に不可能と
コンピュータがはじき出したタイムを
上回ったことがあるほどだ。
しかしそれ以上に
彼のトレードマークとなったのは、
そのクリーンなレーススタイルだった。
他のドライバーに
危険なことや意地悪をしたことなど一度もない。
シューマッハをはじめ、ライバルたちはみな、
彼ほどフェアなレーサーはいないと断言する。
ブロックするのではなく、抜き返す。
誰かにではなく、自分に勝つ。
それが常にハッキネンのスタイルだった。