古居利康 13年3月17日放送
maneki-neko
円空と木喰 1
江戸時代、作仏聖(さぶつひじり)と
呼ばれる僧侶がいた。寺に定住せず、
日本各地を転々と旅して廻り、
行く先々で請われて仏像をつくり、
寺に残して去っていった。
災害や疫病、天候不順による不作。
苦しみも悲しみも、生も死も、
運命として受け入れるほかなかった
当時の庶民。ただ黙してひたすら
祈る人々のそばに、木彫りの仏像はあった。
円空と木喰。
後世にその名を最も知られた
ふたりの作仏聖。彼らが残した仏像の多くは、
いまも各地の寺にある、現役の仏像だ。