古居利康 13年3月17日放送
円空と木喰 2
円空は、
生涯に12万体の仏像をつくった、
という記録が残っている。
現在、円空作と確認されているのは、
そのうち、約5000体にすぎない。
一本の鉈で樹を伐り出し、
何種類かの鑿で大胆に削っていく。
削ったまま、刃物の荒々しい痕跡を
残したままのその仏像は、
悟りと言うには激しく強烈な個性を
主張している。
仏像は、さいしょから木の中にいる。
円空は鉈をふるって、木の中にいる仏を
取り出しているだけ。
円空がつくった円空仏を見ていると、
そんな気さえしてくる。