古居利康 13年3月17日放送
円空と木喰 6
木彫りの仏像を
日本各地に数多く残した作仏聖、木喰。
50を過ぎて旅に出て、
60を過ぎて仏像づくりを始め、
90過ぎまで生き、最後まで旅の途上にあった。
その旅の行程は日本全国に及び、
円空が行かなかった中国、四国、九州にも
数多くの仏像を残した。
木喰がつくった仏像には直線がない。
すべてがまるみを帯びてやさしい。
鉈のひと振りで木を伐り、
鑿の彫り跡も生々しいままの円空仏に対し、
木喰は、木を少しずつ削り、
木を撫でるように、磨くように、
仏に近づいていった。