奥村広乃 13年3月24日放送
別れと時間
1月はいってしまう。
2月は逃げてしまう。
3月はさってしまう。
この3カ月は、1年の中でも時間のたつのが早い。
1日は24時間。1分は60秒。
延びたり縮んだりするわけでもないのに不思議だ。
いっぽうで、とても長く感じる「時間」もある。
六歌仙でしられる僧正遍昭の歌。
今来むと いひて別れし 朝より (いまこむと いいてわかれし あしたより)
思ひくらしの 音をのみぞ泣く (おもいくらしの ねをのみぞなく)
「またすぐに来るよ」と言って去った人を思い
泣き暮らす時間の長さは
1000年後のいまも変わらない。