佐藤理人 13年4月13日放送
ブリア・サヴァラン⑦「ダイエット」
ダイエットは18世紀のフランスで
既にブームだった。
かの国が生んだ世界的食通ブリア・サヴァランは、
著書「美味礼賛」の中で
痩せるためのルールを3つ挙げる。
食べ過ぎないこと。寝過ぎないこと。
適度な運動を心がけること。
しかし食欲と睡眠欲は我慢するのが難しいし、
運動も結局続かない。
そこで彼は確実な方法を提案した。それは、
でんぷんや小麦粉でできた食べ物を断つこと。
つまり今でいう「炭水化物ダイエット」。
しかしこれは人々の猛反発を招いた。
美食の国フランスの人々にとって、
一切のパンやお菓子を諦めることは、
何より酷な話だったのである。
実はサヴァランも肥満に苦しんだ一人。
彼は自らの知識を駆使して、
見事ダイエットに成功する。
しかしそれには30年もの月日を要した。
かくして彼は悟る。
ダイエットに一番必要なもの。
それは勇気である。
楽してやせる方法を人類が発見する日は、
いつか来るのだろうか。