礒部建多 13年4月20日放送



タモリの上京

「誰の弟子にもならない。」
芸能界へ入る際、タモリはこう決めた。
しかし赤塚不二夫との間柄は
誰が見ても、師匠と弟子の関係だった。

上京して間もないタモリを、
赤坂の自宅で住まわせる代わりに、
自分は事務所で寝泊まりをしていた赤塚。
毎晩のように杯を交わしては、芸を説いた。

 タモリは今まで会ったことのない、ものすごい才能だ。

 ああいう都会的でしゃれたギャグをやる奴は、贅沢させないと。

 貧しい下積みなんかさせちゃダメだ。

そう語った赤塚は、タモリにとって師匠以上であり
父のように慕う存在でもあった。
そんな赤塚へ読んだ、タモリの弔辞。

 私もあなたの数多くの作品の1つです。

「バカヤロー」と後頭部を掻きながら
恥ずかしそうに怒鳴る、赤塚の顔が目に浮かぶ。

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