出会いのはなし アルプスの少女ハイジより
「アルプスの少女ハイジ」の中で
夕焼けがなぜ美しいかをきかれたおじいさんは
こう答えた。
人間であろうと、何であろうと、お別れする時が一番美しいんだ。
いま、太陽がね、地球からお別れをしているから、
こんなにも、人の心を打つんだよ。
別れの季節の美しさは、
新しい出会いを輝かせる。
この春、きっとあなたのまわりでも。
出会いのはなし アルプスの少女ハイジより
「アルプスの少女ハイジ」の中で
夕焼けがなぜ美しいかをきかれたおじいさんは
こう答えた。
人間であろうと、何であろうと、お別れする時が一番美しいんだ。
いま、太陽がね、地球からお別れをしているから、
こんなにも、人の心を打つんだよ。
別れの季節の美しさは、
新しい出会いを輝かせる。
この春、きっとあなたのまわりでも。
出会いのはなし 梅原真とカツオ漁師
日本唯一の飛び地村でとれた、
「じゃばら」というみかんの果汁。
牛肉のかわりに海に豊富にあるさざえを入れた
「島じゃ常識 さざえカレー」。
日本各地で獲れたモノたちに、
まっすぐで、風圧の強いデザインを加える男がいる。
それが、デザイナーの梅原真(うめはらしん)。
そのきっかけは、
土佐のカツオの1本釣り漁師との出会い。
このままでは舟がつぶれる。
そう言う漁師の話を聞くうちに、
カツオにデザインをかけあわせれば、
きっと新しい価値が生まれる。
そう確信し、
商品化とパッケージを請け負った
「カツオのたたき」は、
やがて年商20億円の産業となった。
一次産業とデザインが出会えば、
日本の風景は残せる。
そう考える梅原は今日も、
日本各地に眠る資源たちとの、
出会いを重ねている。
出会いのはなし 12代目市川團十郎と母千代
今年2月に亡くなった歌舞伎役者12代目市川團十郎。
彼の母、千代さんをモデルにした小説がある。
作家の宮尾登美子が1988年から新聞に連載した『きのね』。
「花の海老様」といわれた9代目海老蔵。
その正妻となった千代さんのあまりに地味な姿を
不思議に感じ、宮尾は小説化を思い立った。
小説では、使用人だった女性がトイレでひとり子を産みおとし
それがのちの12代目團十郎となる。
センセーショナルな内容で、
どこまでが実話なのかとつい気になるが
そんな邪推をふきとばすエピソードがある。
宮尾は、この作品を書くためにずいぶん取材をし、
12代目團十郎のへその緒を切った
当時90歳のお産婆さんにも話をきいた。
出産直後にかけつけると、千代さんは正座し、
横には座布団の上にきれいにぬぐわれた赤子がいたという。
その姿をみてこう思った。
ああ、聖母子のようだ。
世に生をうけ、
子が母に抱かれる。
その出会いの奇跡が
未来をつくっていく。
tomato umlaut
出会いのはなし ソニア・パークとお買い物
どうして人間って
買い物するのだろう?
スタイリストのソニア・パークは、
そう考えたことがあるそうだ。
少し考えて、彼女が出した答えはこうだ。
そこにものがあるから。
そして、それを買うことができるから。
みずからのショッピングフリークぶりを
「一向に治らない買い物癖」と称する
彼女ならではの答えである。
人とモノとの出会いの連続、ショッピング。
あなたはこの春、どんなものと出会いましたか?
出会いのはなし ロダンと花子
66歳のオーギュスト・ロダンは、
マルセイユの博覧会で
花子という日本人女優に出会った。
彼女の苦しみや怒りの演技に衝撃を受け、
楽屋に押し掛けてモデルになるよう頼んだという。
一方の花子はというと、
日本で二度の結婚に失敗し、頼る家もお金もなく
34歳、単身死ぬ気で海を超えた。
必死に芝居を続けたある日、
有名な芸術家が自分を求めて現れたのだった。
多くの評論家が運命の出会いと語るこの瞬間、
彼女はこう思ったという。
なんだか汚いじいさまだな。
思い出は見る角度によって違うけれど、
どんな出会いも限りない可能性を秘めている。
花子はモデルの依頼を引きうけ、
ロダンから家族同様に愛された。
ロダンは、毎日のように花子を招き、
58点もの作品をつくりつづけた。
この春、あなたにいい出会いがありますように。
出会いのはなし ジョンとポール
ジョン・レノンとポール・マッカートニーが
はじめて出会ったのは、10代半ばのとき。
教会のお祭りで、バンド演奏を終えたジョンのところに
ポールが近寄り、すごいテクニックでギターを弾いてみせた。
その運命的な出会いの前後、ふたりは最愛の母を亡くす。
荒れ狂うほどギターにのめりこみ、音楽の絆を深めていった。
僕らふたりは同じような心の痛手を受け、
それを克服しなければならなかった。
後にジョンは「マザー」で、ポールは「レット・イット・ビー」で
亡き母を歌った。
何かを乗り越える力が出会う時、奇跡は生まれる。
MShades
出会いのはなし 出会いの極意
出会いの瞬間は、
できれば相手の記憶に残るようなものにしたい。
虹も15分と出ていると、だれも眺めない。
とは、ゲーテの言葉。
不意に出会う虹のように、一瞬のインパクトで。
毎回そんな出会いにできればいいのだけれど。
出会いのはなし ロバート・キャパをつくった2人
人生を変える出会い、というものがある。
20世紀を代表する戦場カメラマン、ロバート・キャパ。
この名前が、実は偽名だったということはあまり知られていない。
ロバート・キャパ。本名を、アンドレ・フリードマンという。
ロバート・キャパという架空の名前をアンドレに付け、
「アメリカの有名なカメラマン」として売り込むことを提案したのが、
パリで出会った女性、ゲルダ・タロー。
売れないカメラマンだったアンドレは
彼女との出会いによってキャパとして生まれ変わり、
やがて誰もが知る戦場カメラマンとなっていった。
アンドレはのちに、後輩のカメラマンにこんな助言をしている。
きみの写真が傑作にならないのは、
あと一歩、被写体に近づいていないからだ。
可能性があると感じたら、一歩近づいてその出会いに懸ける。
写真の話だけに留まらないこの哲学こそ、キャパとして生きた彼の強さなのかもしれない。
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