古居利康 13年6月23日放送
雨の詩集 ③寺山修司
雨の詩集。
寺山修司の俳句。
梅雨のバス少女の髪は避くべしや
「15歳から19歳までのあいだに、
ノートにしてほぼ10冊、
各行にびっしりと
書きつらねていった俳句は、
日記に代わる自己形成の記録
なのであった。」
寺山修司は、そう書いている。
歌人、劇作家、劇団主宰、映画監督。
彼の多彩な才能の原点に、
俳句があった。
梅雨のバス少女の髪は避くべしや
通学のバス。
乗り合わせた同級生の少女の髪。
雨に湿って匂い立つ。
少年の陶酔、そして逡巡。
五七五に濃縮された言葉は、
短編映画のように映像的だ。