佐藤理人 13年7月20日放送
アポロ②「ブラウンとヒムラー」
1944年のある日、
ナチスの幹部ハインリヒ・ヒムラーが
ドイツロケット開発の第一人者、
ウェルナー・フォン・ブラウンを呼び出した。
ナチスの下で
新兵器を開発しないかと言うのだ。
宇宙に行けるなら
悪魔に魂を売ってもいい。
そう思っていたウェルナーだったが、
そこにいるのは
悪魔より恐ろしい人間だった。
丁重に断った数日後、
彼はゲシュタポに逮捕される。
危うく処刑寸前になったウェルナーに、
選択肢は残されていなかった。
ロケットは
月ではなくイギリスを目指し、
大勢の命を奪った。
それから25年後。
彼はそのロケットに改良を重ね、
再び宇宙を目指す。
さすがの悪魔も
月までは奪えなかった。