松岡康 13年7月21日放送



沖縄と建築家

沖縄県糸満市摩文仁の丘。

青い海と空を背に、
どっしりとした沖縄赤瓦の屋根が
静かに浮いている。

ここは、沖縄戦没者墓苑。

20万人超といわれる沖縄戦犠牲者のうち
18万人余の遺骨が
琉球墳墓風の納骨堂に納められている。

設計したのは、
昭和近代建築の巨匠である谷口吉郎。

墓苑を構成する素材は、すべて地元沖縄産。
谷口は平和の礎となった人たちを温かくいだくように
納骨堂を片仮名の「コ」の字の形に設計した。

1979年2月2日に完成。
そのわずか1日後の2月3日、
戦没者墓苑の完成を見届けるように
谷口はこの世を去った。

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