村山覚 13年8月11日放送
帰りたくなる話 室生犀星
「ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの」
これは、室生犀星の詩の有名な一節。
彼のペンネームは、金沢を流れる犀川の西で
生まれ育ったことに由来している。
冒頭の詩のとおり、ふるさとと疎遠だった犀星は
犀川についてこんな詩をのこしている。
「うつくしき川は流れたり そのほとりに我は住みぬ
春は春、なつはなつの 花つける堤に座りて
こまやけき本のなさけと愛とを知りぬ
いまもその川ながれ 美しき微風ととも 蒼き波たたへたり」
あなたのふるさとには、
どんな花が咲き、どんな風が吹きますか?