松岡康 13年8月17日放送


plindberg
アスプルンド

20世紀以降に作られた建築作品のなかで
最も早く世界遺産に登録されたもの。
それは、教会でもコンサートホールでもなく「墓地」だった。

スウェーデンの建築家エリック・グンナール・アスプルンドが
25年もの歳月をかけて完成させた「森の墓地」。
ストックホルムの丘陵地帯の地形をそのまま生かし、
礼拝堂や火葬場も森に溶け込むように建てられた。

静かで、雄大。それでいて機能的。

礼拝堂の門にはアスプルンドの言葉が記されている。

 今日はあなた、明日は私。

アスプルンドは設計当時、息子を病気でなくしていた。
死からは逃れることができない。
そんな運命を受け入れて生まれたデザインは、
優しさに満ちている。

アスプルンドは、今も息子と共にこの墓地に眠っている。

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