名雪祐平 13年8月31日放送
WANTED! アーネスト・シャクルトン
20世紀初頭、ロンドンの新聞に掲載された
広告が話題をさらった。
それは探検家アーネスト・シャクルトンが書いた
南極隊員の募集広告。
求む男子
至難の旅。わずかな報酬。
極寒。暗黒の長い月日。
絶えざる危険。生命の保証無し。
成功の暁には名誉と称賛を得る。
この文面に奮い立った男たち5000人が応募し、
倍率200倍から合格したのは25人。
1914年、南極横断成功に向けて出発。
しかし船が厚い氷に阻まれ、座礁。
そこからまさしく募集広告のような
命の危機の連続だった。
危機は英雄を生む。
南極横断には失敗したが、
信じられないほどの苦難を乗り越え、
一人の命を落とすことなく全員が生還した。
失敗の暁に、名誉と称賛を得た。