松岡康 13年9月15日放送
vinirusso
老いても踊る
舞踏家大野一雄。
103歳で亡くなるまで、現役を貫いた。
20代でダンスを志す。
32才で太平洋戦争に出征。
やっと帰国できたのが40才。
デビューは、43才の時だった。
生と死の意味にこだわる彼のダンスは、
技術や形(かた)にとらわれない、魂の表現だった。
90歳を越えても、彼は踊った。
足が不自由になっても、車いすに座り、手だけで踊った。
世界の人々が、老人のダンスに感動した。
大野はいう。
魂が先行して、最小限の肉体がついていく。
そういう踊りをやらなくてはいけない。
老いた身体にしかできない、ダンスだった。