名雪祐平 13年9月29日放送


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一眼 ロッコ・モラビト

1967年7月17日。フロリダ。
蒸し暑い日。停電。最悪。

電信柱の上のほうで。

電線の作業員の男二人がキスしていた。深く。

決してふざけているわけではなく、必死。

一人は、高圧電線に触れてしまい、
2100ボルトの電流に心臓を止めてしまった男。 

気絶し、逆さまになった体勢の男を
もう一人の男がしっかりと抱えながら、
口移しで人工呼吸を始めたのだ。

力を失った体に、再び命を吹き込まなければ。
そして、なんとか息を吹き返した。

いのちのキス。

その光景を
取材中のジャクソンビル・ジャーナル紙の
ロッコ・モラビトがカメラにおさめた。

写真は
1968年ピューリッツァー賞受賞。

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