名雪祐平 13年9月29日放送
一眼 ミルトン・ブルックス
1941年春。デトロイト。
フォード社自動車工場。
従業員12万人。
ストライキを叫ぶ労働組合の群衆に、
コートを着た1人の男が近づき、
スト破りをしようとした。
だが、10人近い男たちに袋だたきに合ってしまう。
デトロイト・ニュース社のカメラマン
ミルトン・ブルックスは忍耐の男だった。
絶好のシャッターチャンスをじっと待っていた。
1発必中。
当時、カメラに連写機能はなく、
1枚しくじれば7秒間も間が空いてしまう。
そっとシャッターを切ると、
ミルトンはすぐ、
カメラを隠して逃げた。
写真は
1942年ピューリッツァー賞受賞。
写真部門史上初の受賞作品となった。