名雪祐平 13年9月29日放送
一眼 ウィリアム・ギャラガー
1952年9月。アメリカ大統領選挙。
有力な候補者、アドレー・スチーブンソンは
実直で知的で、労働者びいき。
ミシガン州の労働者の街フリントでの演説前に、
舞台上の椅子に座っていた。
何気なく足を組んだ。
そのとき、地元新聞のカメラマン
ウィリアム・ギャラガーは、おやっと思った。
スチーブンソンの靴の裏に穴があいていたのだ。
選挙遊説の酷使で開いた穴に違いなかった。
これはいい写真を撮れるぞ。
他のカメラマンに気づかれないように
あらぬ方向を視ながらフラッシュを焚いた。
読者がほほえむような写真が新聞第一面を飾った。
写真は
1953年ピューリッツァー賞受賞。