さちどん
老いることの物語
「死んだら、どうなるんだろ」
幼いときの、素朴な疑問。
湯本香樹実の小説『夏の庭The Friends』は、
町外れに暮らす老人の死を、
目撃しようとする少年たちの物語。
海外でも高く評価されている。
最初は、老人が息をひきとる瞬間を
心待ちにしていた少年たち。
しかし、交流をかさね、
心をかよわすごとに気持ちが変化してゆく。
もしかすると、歳をとるのは楽しいことなのかもしれない。
歳をとればとるほど、思い出は増えるのだから。
若いと楽しい事が多い。
老いると楽しい事は減る。
つい、そう思うときもある。
だが、自分自身の人生に「楽しさ」を
積み重ねていくことが出来れば、
歳をとることは楽しいと思えるのかもしれない。