2013 年 9 月 のアーカイブ

中村直史 13年9月8日放送


Enid Yu
変えようとする人たち 山本繁

ニートや引きこもりの若者の役に立ちたい。
山本繁さんは、そんな思いから、次々とプロジェクトを立ち上げた。

漫画家志望の若者に格安の住居を提供したり、
「オールニートニッポン」というラジオ局で、
メッセージを発信したり。

活動を続けるうち、
ニートや引きこもりになるのを「防ぐ」ことが大切だと気がついた。
そこで「日本中退予防研究所」を設立。
大学や専門学校とタッグを組み、
日本の中退者の数を半減させようと奮闘している。

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中村直史 13年9月8日放送


m.joedicke
変えようとする人たち 工藤啓

やる気がない。働く気がない。
だから、ニートや引きこもりになる・・・
それは違う、と工藤啓(くどう・けい)さんは考えた。

人間関係に自信がない。働くための技術がない。
理由は、たぶん、ひとりひとり違う。
けれど、働きたくないわけじゃない。
社会への一歩を踏み出すための場所やきっかけがあれば、
きっと何かが変わるはず。

そんな思いから工藤さんが始めたのが、NPO法人「育て上げネット」。

いろんな「働く」を体験する、「ジョブトレ」をはじめ、
引きこもりの方の家族を支援するプログラムまで。
悩む若者たちが、どうやれば社会人とし自立していけるか
具体的なプログラムが、きめ細やかに用意されている。

「やりたいこと」を仕事にして、自己実現をしなければならない。
そんな風潮が嫌です。仕事してみたら、案外楽しかった。
そのくらいでいいと思うんです。

まずはやってみる。
その「まずは」という、なにげに大きな壁を、
工藤さんたちは壊そうとしている。

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三島邦彦 13年9月8日放送


University of Salford
変えようとする人たち ムハマド・ユヌス

すべての社会起業家にとっての憧れであり心の支え。
グラミン銀行総裁、ムハマド・ユヌス博士。
27ドルのポケットマネーを42人の農民に貸した彼の行動はやがて、
1000万人に及ぶ人々の希望や未来を支える、世界最大の少額融資事業となった。

無私無欲のビジネス。ユヌス博士はそれをソーシャルビジネスと呼ぶ。
ノーベル平和賞を受賞後、2009年に来日した博士は、日本の若者たちにこう語った。

人間は金を生みだす機械ではありません。
人間は世界を変えることができるのです。

貧困を生まない新しい資本主義を作る。
その遥かな目標に向け、ユヌス博士のソーシャルビジネスは、
世界を少しずつ変えようとしている。

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三島邦彦 13年9月8日放送



変えようとする人たち アンドレアス・ハイネッケ

相手の立場に立つ。
対立をなくすための最もシンプルで、最も難しい方法。

ドイツの哲学博士、アンドレアス・ハイネッケは、
健常者と障がい者の関係を変えるため、
「ダイアログ・インザダーク」というイベントを発明した。

会場は暗闇。わずかな光も存在しない。
1回につき数名に限定された参加者が、
視覚障害を持つナビゲーターに案内されて暗闇を歩く。
恐る恐る足を踏み出しながら前へと進む。
聴覚、触覚、嗅覚、味覚。
視覚が閉ざされることによって、その他の五感が敏感になる。
暗闇の世界に慣れたナビゲーターの確かな足取りが参加者に安心感をくれる。
声を掛け合い、手をつなぐ。
暗闇の中での対話を通して、
ナビゲーターと参加者同士の間に、あたたかな連帯が生まれる。
ハイネッケはこう語る。

そばにいる誰かは、あなたを助けてくれる人なのです。

ダイアログ・インザダーク。
その暗闇の中ではすべての人が平等で、すべての人がやさしい。

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三島邦彦 13年9月8日放送


Global X
変えようとする人たち ビル・ドレイトン

ガンジーに憧れる19歳の青年が、
旅行先のインドで目の当たりにしたのは、
貧富の差に苦しむ人々だった。

すぐなんとかしたいと思ったが若くて何もできない。
政府はすぐには動かない。
新しい仕掛けが必要と痛感した。

青年の名前はビル・ドレイトン。
その旅から18年の時を経て、
アショカ財団という組織を作り、
世界中の有望な社会起業家を支援している。

世界を変える人を育てる。
ドレイトンは今、「社会起業家の父」と呼ばれている。

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三島邦彦 13年9月8日放送


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変えようとする人たち 大木洵人

インターネットを通じた遠隔手話通訳や
オンライン手話辞典など、
手話とテクノロジーを結びつけることで
手話の世界に革新をもたらしている企業、「シュアール」。
その代表、大木洵人(おおきじゅんと)を突き動かしているものは、
聴覚障害に対する社会的な不平等への嫌悪だという。
彼は語る。

人間はもともと不平等。
だからこそ、すべての人たちにチャンスは
平等に与えられるべきだと思っています。

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大友美有紀 13年9月7日放送



「ふるさとグルメ」青森県 おこわのやすみっこ

食欲の秋。
日本の各地方には、
その名を聞いただけでも
わくわくするような料理がある。
青森県三戸(さんのへ)南部の
「おこわのやすみっこ」。
しろせんべいという
塩味だけの南部せんべいで、
丸く平たくした赤飯のおにぎりをはさんだもの。
農繁期のおやつとして食べられているから、
「やすみっこ」。

 農作業は手さ汚れてるし、
 せんべいにしてると、
 ごはんこぼさねし。

暮らしの知恵から生まれたグルメ。
赤飯の湯気でやわらかくなった南部せんべいが、
なんともやさしい。

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大友美有紀 13年9月7日放送



「ふるさとグルメ」埼玉県行田市 フライ

秋、涼しくなると基礎代謝が上がり、お腹がすく。
多少科学的根拠はあるようだ。
そんなとき、妙に食べたくなるのは、
幼い頃から慣れ親しんだふるさとの食べ物。

埼玉県北部には「フライ」というおやつがある。
揚げ物ではない。小麦粉に野菜や肉を混ぜて焼く。
薄いお好み焼きのようなもの。
かつて行田市には足袋工場があり、
その女工たちに人気があった。

 フライパンで焼くから「ふらい」
 布が来るから、「ふらい」
 富よ来いの願いをこめた「ふらい」

名前の由来には、諸説あるが、
その地の歴史があるから生まれたグルメ。
ふるさとの思いも一緒に味わっている。

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大友美有紀 13年9月7日放送



「ふるさとグルメ」愛媛宇和島 ふくめん

秋は、収穫の季節。
宇和島のみかんは、まだまだ青い。
この地には、みかんの皮を薬味に使った料理がある。
「ふくめん」。
だしで煮詰めたこんにゃくの上に
紅白のでんぶ、青ネギ、
みじん切りにしたみかんの皮を
彩りよく盛りつける。
こんにゃくを覆面のように覆うから、ふくめん。
千切りのことを「ふくめ」といったから、ふくめん。

 お正月も、誕生日にも食卓に上る、
 嬉しい、幸せの料理です。

 
ふく、は幸福の福なのかもしれない。
みかんがくれる、
香り高く福々しい味わいだ。

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大友美有紀 13年9月7日放送



「ふるさとグルメ」北海道芦別市 ガタタン

暑い季節がすぎ、これから涼しくなる。
そろそろ体を温める料理の出番がやってくる。
北海道芦別市は、かつて炭坑の町だった。
重労働のヤマの男たちを支えてきた
特別な料理がある。

ガタタン。
含む、多い、湯、と書いて、ガタタン。
鶏ガラや豚骨をベースにした、とろみのあるスープ。
野菜、肉、団子など10種類の具材を煮込んで、
片栗粉でとろみをつける。
戦後、旧満州から芦別に引き上げてきた
村井豊後之亮(ぶんごのすけ)が、
この地で開業した中華料理店で出したのが始まりだ。
中国の家庭料理をヒントに作った。
村井の店はもうないが、その味引き継ぐ店がある。
店の女将には夢がある。

 芦別にとっては、宝物の料理。
 炭坑の町だった芦別が
 ガタタンの町になるようにがんばっています。

たくさんの具材ととろみのある食感。
女将の熱い思いに、体も心も温まる。
これから寒くなる季節、ガタタンで温まってみてはどうだろう。

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