Enid Yu
変えようとする人たち 山本繁
ニートや引きこもりの若者の役に立ちたい。
山本繁さんは、そんな思いから、次々とプロジェクトを立ち上げた。
漫画家志望の若者に格安の住居を提供したり、
「オールニートニッポン」というラジオ局で、
メッセージを発信したり。
活動を続けるうち、
ニートや引きこもりになるのを「防ぐ」ことが大切だと気がついた。
そこで「日本中退予防研究所」を設立。
大学や専門学校とタッグを組み、
日本の中退者の数を半減させようと奮闘している。
Enid Yu
変えようとする人たち 山本繁
ニートや引きこもりの若者の役に立ちたい。
山本繁さんは、そんな思いから、次々とプロジェクトを立ち上げた。
漫画家志望の若者に格安の住居を提供したり、
「オールニートニッポン」というラジオ局で、
メッセージを発信したり。
活動を続けるうち、
ニートや引きこもりになるのを「防ぐ」ことが大切だと気がついた。
そこで「日本中退予防研究所」を設立。
大学や専門学校とタッグを組み、
日本の中退者の数を半減させようと奮闘している。
m.joedicke
変えようとする人たち 工藤啓
やる気がない。働く気がない。
だから、ニートや引きこもりになる・・・
それは違う、と工藤啓(くどう・けい)さんは考えた。
人間関係に自信がない。働くための技術がない。
理由は、たぶん、ひとりひとり違う。
けれど、働きたくないわけじゃない。
社会への一歩を踏み出すための場所やきっかけがあれば、
きっと何かが変わるはず。
そんな思いから工藤さんが始めたのが、NPO法人「育て上げネット」。
いろんな「働く」を体験する、「ジョブトレ」をはじめ、
引きこもりの方の家族を支援するプログラムまで。
悩む若者たちが、どうやれば社会人とし自立していけるか
具体的なプログラムが、きめ細やかに用意されている。
「やりたいこと」を仕事にして、自己実現をしなければならない。
そんな風潮が嫌です。仕事してみたら、案外楽しかった。
そのくらいでいいと思うんです。
まずはやってみる。
その「まずは」という、なにげに大きな壁を、
工藤さんたちは壊そうとしている。
University of Salford
変えようとする人たち ムハマド・ユヌス
すべての社会起業家にとっての憧れであり心の支え。
グラミン銀行総裁、ムハマド・ユヌス博士。
27ドルのポケットマネーを42人の農民に貸した彼の行動はやがて、
1000万人に及ぶ人々の希望や未来を支える、世界最大の少額融資事業となった。
無私無欲のビジネス。ユヌス博士はそれをソーシャルビジネスと呼ぶ。
ノーベル平和賞を受賞後、2009年に来日した博士は、日本の若者たちにこう語った。
人間は金を生みだす機械ではありません。
人間は世界を変えることができるのです。
貧困を生まない新しい資本主義を作る。
その遥かな目標に向け、ユヌス博士のソーシャルビジネスは、
世界を少しずつ変えようとしている。
変えようとする人たち アンドレアス・ハイネッケ
相手の立場に立つ。
対立をなくすための最もシンプルで、最も難しい方法。
ドイツの哲学博士、アンドレアス・ハイネッケは、
健常者と障がい者の関係を変えるため、
「ダイアログ・インザダーク」というイベントを発明した。
会場は暗闇。わずかな光も存在しない。
1回につき数名に限定された参加者が、
視覚障害を持つナビゲーターに案内されて暗闇を歩く。
恐る恐る足を踏み出しながら前へと進む。
聴覚、触覚、嗅覚、味覚。
視覚が閉ざされることによって、その他の五感が敏感になる。
暗闇の世界に慣れたナビゲーターの確かな足取りが参加者に安心感をくれる。
声を掛け合い、手をつなぐ。
暗闇の中での対話を通して、
ナビゲーターと参加者同士の間に、あたたかな連帯が生まれる。
ハイネッケはこう語る。
そばにいる誰かは、あなたを助けてくれる人なのです。
ダイアログ・インザダーク。
その暗闇の中ではすべての人が平等で、すべての人がやさしい。
Global X
変えようとする人たち ビル・ドレイトン
ガンジーに憧れる19歳の青年が、
旅行先のインドで目の当たりにしたのは、
貧富の差に苦しむ人々だった。
すぐなんとかしたいと思ったが若くて何もできない。
政府はすぐには動かない。
新しい仕掛けが必要と痛感した。
青年の名前はビル・ドレイトン。
その旅から18年の時を経て、
アショカ財団という組織を作り、
世界中の有望な社会起業家を支援している。
世界を変える人を育てる。
ドレイトンは今、「社会起業家の父」と呼ばれている。
overviewasl
変えようとする人たち 大木洵人
インターネットを通じた遠隔手話通訳や
オンライン手話辞典など、
手話とテクノロジーを結びつけることで
手話の世界に革新をもたらしている企業、「シュアール」。
その代表、大木洵人(おおきじゅんと)を突き動かしているものは、
聴覚障害に対する社会的な不平等への嫌悪だという。
彼は語る。
人間はもともと不平等。
だからこそ、すべての人たちにチャンスは
平等に与えられるべきだと思っています。
「ふるさとグルメ」青森県 おこわのやすみっこ
食欲の秋。
日本の各地方には、
その名を聞いただけでも
わくわくするような料理がある。
青森県三戸(さんのへ)南部の
「おこわのやすみっこ」。
しろせんべいという
塩味だけの南部せんべいで、
丸く平たくした赤飯のおにぎりをはさんだもの。
農繁期のおやつとして食べられているから、
「やすみっこ」。
農作業は手さ汚れてるし、
せんべいにしてると、
ごはんこぼさねし。
暮らしの知恵から生まれたグルメ。
赤飯の湯気でやわらかくなった南部せんべいが、
なんともやさしい。
「ふるさとグルメ」埼玉県行田市 フライ
秋、涼しくなると基礎代謝が上がり、お腹がすく。
多少科学的根拠はあるようだ。
そんなとき、妙に食べたくなるのは、
幼い頃から慣れ親しんだふるさとの食べ物。
埼玉県北部には「フライ」というおやつがある。
揚げ物ではない。小麦粉に野菜や肉を混ぜて焼く。
薄いお好み焼きのようなもの。
かつて行田市には足袋工場があり、
その女工たちに人気があった。
フライパンで焼くから「ふらい」
布が来るから、「ふらい」
富よ来いの願いをこめた「ふらい」
名前の由来には、諸説あるが、
その地の歴史があるから生まれたグルメ。
ふるさとの思いも一緒に味わっている。
「ふるさとグルメ」愛媛宇和島 ふくめん
秋は、収穫の季節。
宇和島のみかんは、まだまだ青い。
この地には、みかんの皮を薬味に使った料理がある。
「ふくめん」。
だしで煮詰めたこんにゃくの上に
紅白のでんぶ、青ネギ、
みじん切りにしたみかんの皮を
彩りよく盛りつける。
こんにゃくを覆面のように覆うから、ふくめん。
千切りのことを「ふくめ」といったから、ふくめん。
お正月も、誕生日にも食卓に上る、
嬉しい、幸せの料理です。
ふく、は幸福の福なのかもしれない。
みかんがくれる、
香り高く福々しい味わいだ。
「ふるさとグルメ」北海道芦別市 ガタタン
暑い季節がすぎ、これから涼しくなる。
そろそろ体を温める料理の出番がやってくる。
北海道芦別市は、かつて炭坑の町だった。
重労働のヤマの男たちを支えてきた
特別な料理がある。
ガタタン。
含む、多い、湯、と書いて、ガタタン。
鶏ガラや豚骨をベースにした、とろみのあるスープ。
野菜、肉、団子など10種類の具材を煮込んで、
片栗粉でとろみをつける。
戦後、旧満州から芦別に引き上げてきた
村井豊後之亮(ぶんごのすけ)が、
この地で開業した中華料理店で出したのが始まりだ。
中国の家庭料理をヒントに作った。
村井の店はもうないが、その味引き継ぐ店がある。
店の女将には夢がある。
芦別にとっては、宝物の料理。
炭坑の町だった芦別が
ガタタンの町になるようにがんばっています。
たくさんの具材ととろみのある食感。
女将の熱い思いに、体も心も温まる。
これから寒くなる季節、ガタタンで温まってみてはどうだろう。
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