澁江俊一 13年10月13日放送


Gnsin
宮崎駿と引越し

「僕は自由です」
そう語り引退を表明した宮崎駿監督。
その宮崎作品には、本当によく「引越し」が描かれる。

「となりのトトロ」では緑の多い郊外の
古い家に、サツキとメイが引越してくる。
「魔女の宅急便」でも14歳のキキは
新しく暮らす街を探す旅に出るし、
「千と千尋の神隠し」でも
物語がはじまるのは引越しの日。
「ハウルの動く城」ではもはや
家そのものがあらゆる場所に移動している。

彼が描く引越しには
ワクワクするような気分と不安。
そして自分とは違う新しいものとの出会いがある。

実は、宮崎駿自身にも、
子どもの頃に引越しの経験があった。
疎開先から、東京へ。
しかし、その引越しは決して楽しいものではなく
むしろ自分の存在の根底を揺るがすような
不安に満ちたものだった。

だからこそ彼はアニメーションで
引越しをまるで冒険のように描くことで
子どもたちにメッセージを送ったのだ。

今いる場所に安住せずに
新しい世界に会いに行こう、と。

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