茂木彩海 13年10月27日放送
jordanmit09
おやつのはなし 川端康成のクッキー
日本を代表する小説家、川端康成。
小さなお弁当を4回に分けて食べるほど食が細かったが、
どうも甘いものは別腹だったよう。
急性糖尿病にかかるほどの甘いもの好きだった。
そんな川端が「フランスでも滅多に味わへない本格的な良心的な作品」
と絶賛し、幾度となくおやつにした東京駒込の洋菓子店、カドのクッキー。
初代店主の高田壮一郎は、
日本人としてフランスへの菓子留学を果たした第一号生。
当時から珍しいお菓子がある店として有名だったという。
店内には川端直筆の推薦状が、いまでも額に入って飾られている。
洋菓子のほんとうを同好の人びとに知ってもらへるのは、
私の自慢でもある。
この「同好の人びと」の一人は、川端と師弟関係だった三島由紀夫。
彼もまた、カドの洋菓子をよくおやつに食べていたという。
おやつの好みが合えば、2人の絆はずっと深い。