大友美有紀 13年11月3日放送
「文具の日」黒田善太郎
11月3日は文具の日でもある。
日本の大手文具メーカー、コクヨの創業者・黒田善太郎は、
明治38年、大阪に和式帳簿の表紙店を開業した。
帳簿の表紙の製造だけを問屋から請け負う仕事。
商人の顔ともいえる表紙だが、
価格は帳簿全体の5%でしかなかった。
人の役に立つことをしていれば、必ず受け入れられる。
黒田はその信念で仕事に打ち込んだ。
「黒田の表紙でなければダメだ」と
言われるまでになった。
そして、和式帳簿そのものの製造を始める。
その時にこだわったのが「正百枚(しょうひゃくまい)」。
中味の枚数が、正確に100枚であることだった。
なんと、当時は百枚綴りとしながら、
表紙・台紙を入れて百枚とする業者もあったのだ。
割高になる、けれどお客様のため正百枚を押し通した。
今でもコクヨの便せんには「正百枚」の表示がある。