三島邦彦 13年11月16日放送
poppet with a camera
カメラの裏には ロバート・キャパ
伝説の報道写真家、ロバート・キャパ。
23歳の秋にスペイン内戦の戦場で
民間兵が銃撃を受けて倒れる瞬間を撮影した一枚は、
「崩れ落ちる兵士」というタイトルで発表され、
戦争を象徴するイメージとして
ピカソの「ゲルニカ」と並び称された。
ある日、新聞記者がキャパに「崩れ落ちる兵士」を撮影した時のことを聞くと、
キャパはこう答えた。
戦争なんて嫌だ。思い出すのも嫌だ。話をするのも嫌だ。
誰よりも戦争を嫌いながら、誰よりも戦場に足を向けたキャパ。
彼が残した写真は今も、彼の代わりに戦争を語り続けている。