女の話 お仙
お仙の茶屋へ腰をかけたら
渋茶を出して
渋茶よこよこ横目で見たらば
米の団子か
土の団子か
200年以上昔、江戸時代は明和年間のころ、
手毬歌にも唄われた絶世の美女、お仙。
お仙は水茶屋で働く茶汲み女。
いまでいうウエイトレス。
その美少女ぶりが、浮世絵師の目にとまり、
錦絵に描かれてたちまち江戸のアイドルに。
彼女を一目見ようと客が押し寄せ、
お茶屋が大繁盛したばかりか、
お仙キャラクターの
手ぬぐい、双六、人形といったグッズが大いに売れに売れた。
お仙をモデルにした芝居も大当たり。
経済効果は抜群だった。
もうひとりのアイドルだった柳家のお藤も、
錦絵や手ぬぐいを売り出してはみたが
江戸トップアイドル対決の軍配はお仙に。
お仙は人気絶頂の19歳で引退し、幸せな結婚生活を送ったとか。