道山智之 13年12月1日放送
新美南吉 ~ささえるひと~
作家、新美南吉。
今年は、彼の生誕100周年。
南吉は、作品を出版する機会になかなかめぐりあえなかった。
29歳、死の直前に、ある人物に未発表作品を出版してくれるよう
頼んだ。
その人は、南吉が兄と慕う詩人、巽聖歌。
巽は自分の作品をさしおいて、次々に南吉の本を出版。
南吉は死後10年以上たってその名が全国に知られるようになる。
巽のスクラップ帳には、
天国の南吉にあてたメモがのこる。
南吉よ おそい春だったなあ
けれど おれは
これで
せいいっぱいだったんだよ
巽聖歌の献身がなければ、
私たちは「ごんぎつね」を知らない人生を生きたかもしれない。