クリスマスに人々は 戦国のメリークリスマス
日本で初めてクリスマスが祝われたのは、室町時代の1552年。
それから14年後の1566年の日本で、クリスマスに小さな奇跡が起こった。
時は戦国。
近畿地方の覇権をめぐって
松永氏と三好氏が戦をしていた時のこと。
両軍の武士には、当時流行していたキリスト教の信者が多かった。
クリスマスイブ。
それぞれの軍のキリスト教徒たちの熱心な申し入れにより、
特別に一日限りの休戦が決まった。
彼らはこう語ったという。
自分たちは敵味方になっているが、デウスをあがめる心は同じである。
休戦を決めた彼らはともにクリスマスを祝おうと、
大急ぎで町の会合所の大広間を飾り付けた。
夜には司祭を迎えてクリスマスのミサを執り行い、
翌日の昼には各自が料理を持参して
キリストや神について語り合い、ともに聖歌を歌った。
そしてクリスマスの日が暮れるとともに
彼らは再び敵味方に分かれ、戦場へと戻って行った。
今から450年ほど前、まだキリスト教が禁止される前の日本で起きた、
戦国のメリークリスマス。