藤本宗将 13年12月29日放送
鬼が笑った話 土光敏夫
経営者としての手腕を買われて行政改革に取り組み、
「行革の鬼」と呼ばれた土光敏夫。
人並外れた行動力と猛烈なまでの働きぶりで、
日本の再建に奔走した。
そんな土光が、晩年に笑いながらこんなことを語ったという。
「もし、来世に天国と地獄があるとすれば、
僕はためらいなく地獄行きを望むね。
極楽はたしかに楽しいだろうが、
そんなラクなところでのんびりするのは性に合わない。
やっぱり地獄の、それも地獄の釜焚きでもして、
その釜の底から日本の動きを監視していく――
あの世に行っても、多分、そんなところでしょう」
彼の目に、いまの日本はどんなふうに映っているのだろう。
鬼に笑われないような、来年にしなければ。