大友美有紀 14年1月5日放送
Giuliagas
「ぐりとぐら」すみれちゃん。
絵本「ぐりとぐら」が誕生してから今年で51年目。
シリーズで初めて登場した人間の女の子が、すみれちゃん。
大きなかぼちゃを、ぐりとぐらにとどける女の子。
すみれちゃんには、モデルがいる。
「ぐりとぐらとすみれちゃん」を書き上げる1年半前、
李枝子は盛岡での講演のあと、一通の手紙を渡される。
幼稚園の先生をしている、すみれちゃんのお父さんだった。
手紙の差出人は、すみれちゃんのお母さん。
脳腫瘍のため4歳で亡くなったすみれちゃんは、
生前、元気なときも病院のベッドでも、
「ぐりとぐら」の絵本をほんとうに楽しんでいた。
何も食べられなくなってからも
「ぐりとぐらのえんそく」のお弁当の場面を開いて、
『きょうはこれにする』と、食べる真似をしていた。
すみれちゃんに、絵本の中で
楽しい時間を過ごして欲しいと思って書いたのよ。
すみれちゃんが、楽しいときを過ごしていることが
お母さんとお父さんにとっても救いになると思うの。
物語の最後に、ぐりとぐらは、かぼちゃの種を埋める。