松岡康 14年1月12日放送
Julizehn***
やなせたかし
約40年にわたり、
日本の子どもたちに
愛されつづけるアンパンマン。
自分の頭をもぎり、お腹の空いた子どもに食べさせる。
自らを犠牲にし、相手を幸せにしようとする。
初めてそれを見た大人たちの中には、
不快感をあらわにする者も少なくなかった。
この不思議なキャラクターを生んだのは、
作者やなせたかしの強い信念だった。
逆転しない正義とは献身と愛だ。
それも決して大げさなことではなく、
眼の前で餓死しそうな人がいるとすれば、
その人に一片のパンを与えること。
日中戦争に出征したやなせは、
飢えの恐怖を身をもって体験し、
献身こそ、ゆるぎない正義と知る。
戦争を知る大人として
やなせが送りつづけた、愛のメッセージ。
それが、今も子どもたちが大好きなアンパンマンなのだ。